by Jun Takei, Intel Corporation
日本の情報セキュリティに多大なる貢献をされてきた奈良先端科学技術大学院大学の山口英先生が2016年5月9日に急逝されました。
先生のいままでの功績は多くの場所にすでに書かれていますので、今回はTCGとの関係について先生への感謝の気持ちを込めて記したいと思います。
山口先生は、大阪大学におられる時よりネットワークの運用、そしてそれに伴う情報セキュリティに係る研究、教育に積極的に関わられ、古くからこの分野での第一人者であられました。彼は一研究者として貢献されただけではなく、組織を超えた連携や協調を可能とするためのリーダーシップを多くの場面で発揮されてきました。その一つが、JPCERT/CCの法人化、そしてJPCERT/CCの安定的基盤を築かれた点です。さらにその次に挑戦されたのが、政府レベルでのセキュリティ対策を進め社会全体の底上げをするための内閣情報セキュリティセンター(NISC)の設計、設立でした。その設立時には情報セキュリティ補佐官として従事され、大学教授とNISC立ち上げのための補佐官という多忙な役目を果たされたのでした。山口先生の補佐官としての役割は、政府内ネットワークの安全運用のみならず、省庁間連携、そして社会全体へのガイド役としての役割を果たされ大きな成果を残されました。その取り組みは、内閣情報セキュリティセンターが2014年に国会を通過した「サイバーセキュリティ基本法」により、名前を内閣サイバーセキュリティセンターと変え、拡充れた組織が日本の司令塔として運営されています。
ちょうど山口先生が補佐官としてNISCの立ち上げの時期がTCGの日本での活動を始めた時期と重なり、TCGに対する日本政府の窓口を探している時期でした。NISCにおられた山口先生に調整をいただいた結果、2008年に晴れて日本との窓口が正式に確定し、現在に至るまでTCGは日本政府との対話窓口を良好に維持しております。
このように山口先生にはTCGが日本で活動を始める初期の段階よりお世話になり、第一回のJRFワークショップでにキーノートスピーチがつい先日のように思い出されます。
NISCにおける情報セキュリティ補佐官を退任された後、山口先生はその後も日本政府のみならず世界のセキュリティ対策に関わるプロジェクトをリードされ、ここ数年はアフリカ地域でのCSIRT組織立ち上げ支援などに関わっておられました。
これらを振り返ると、本分野において山口先生ほど国を超えて社会のため、世界のために活躍された方はおられないのではないでしょうか。そのような貴重な時間を私達JRFのメンバーが共有させていただけたことは非常にありがたいことでした。セキュリティ技術普及の一翼をになう私達も先生の思いを忘れずにこれからも活動を続けていくことが、私達残されたものの役割だと先生の足跡をたどるに際して再認識する次第です。
山口先生安らかにお休みください。
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